「早朝の駅、告白する、月」

 うわぁ、寒。そんな言葉が出掛かったが、ぎりぎりのところで飲み込む。つまるところ、寒いのは気温であるかその言葉であるか、はっきりと言及するのは避けたかったのだ。
 そもそもまだ月の残る早朝の駅に、人を呼び出すという行為自体が間違っているのではないだろうか。……いや、そんなことを考えてはいけない。今は呼び出した張本人の彼女の話を聴こうではないか。
「……それで、告白する、って決めたんです」
 えーと、誰に? まさか話を聞いていなかったとはとても言えない。知った振りで聴いていよう。
「ですから……先輩、付き合って……下さい……」
 どこに? なんて言える訳があるだろうか。我が後輩らしきその少女は顔を赤く染め、上目遣いに私を見てくる。
 前後関係なんてどうでもいい。それがどんな告白だろうと、彼女に付き添うのが私の役目だ。

カテゴリ未分類